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Art & Craft

イギリス南西部の港町ペンザンス(Penzance)の波止場近くに
位置する
歴史的なトリニティハウス(灯台、航路標識の建設および試験などを管理する協会)貯蔵所。イギリスの陶芸ブランド「ドハティポーセリンDoherty Porcelain)」の陶芸家ジャック・ドハティ(Jack Doherty)はここで、熱い窯の火と重曹、そして粘土の強烈な結合によって色褪せたようなカラー、艶やかな光沢、手で造形した唯一無二のテクスチャーを持つ独創的な陶磁器を作り出す。

「美しく機能的な日常品」が持つ力を信じる彼は、数多くのミュージアムでの展示と受賞を通して早くからその才能を認められ、素朴でありながらも繊細さが感じられる作品で多くの人々を魅了した。

2025年、ドハティポーセリンのブラックストーンウェア(Black Stoneware)コレクションを韓国で紹介することになった彼とのインタビュー。

@dohertyporcelain

 

 Urbanic(以下U):自己紹介とドハティポーセリンDoherty Porcelain)について教えてください。

Jack Doherty(以下D):ドハティポーセリンは現代美術キュレーター兼展示企画者である
サラ・フラングルトン(
Sarah Frangleton)とアーティスト兼デザイナーである私、
ジャック・ドハティのクリエイティブなパートナーシップを通してスタートしました。
私はアルスター大学で陶芸デザインを専攻し、アイルランドにあるキルケニーデザインワークショップ(
Kilkenny Design Workshops)で働いたのち、最初のアトリエを開きました。
学生時代に陶芸に初めて触れ、著名な陶芸家であるルーシー・リー(
Lucie Rie)の
ロンドンスタジオへの訪問をきっかけに陶芸家になることを決心しました。
そこで韓国の素晴らしいタルハンアリ(満月壺)の実物を初めて目にしました。
陶磁器に対して好奇心が湧き、それがきっかけで陶芸家の道を歩むことになりました。

 

Uドハティポーセリンを23個の単語で簡略に定義するとすれば?

D:「正真正銘の(Authentic)」、「現代の(Contemporary)」、「唯一の(Unique)」と説明したいです。

 

Uドハティポーセリンならではの制作技法は何ですか?

D:ドハティポーセリンはオリジナルな技法で、それぞれの作品のカラーとテクスチャーを築いてきました。
伝統的な釉薬を使わない代わりに、スリップ(粘土に水を混ぜ適度な濃度にしたもの)と
鉱物の混合物を作品に加えた後、ソーダ窯で焼きます。
この時、重曹と水を混ぜ熱い窯の中に投入すると、粘土と反応し鉱物によって
色が出ることで作品は個性と固有のテクスチャーを持つことになります。

 

U:アーバニック30の顧客に紹介することになった
ブラックストーンウェア(
Black stoneware)コレクションについて教えてください。

D:ブラックストーンウェアコレクションは現代的なセラミックラインです。
伝統素材と独創的な技術、現代のデザインを結合し日常でも、
そして特別な日にも似合うようにハンドメイドで作られています。
手に取りやすいコップ、食事の準備とサービングに適した料理を入れやすく
重ねて保管することができるボウル、 エレガントに演出することができる
フチの広いプレートを中心に製品群を追加しています。

コレクション全体としては一貫性がありながらも、一つ一つ違う形に作り上げる
窯の焼成過程の特徴が、それぞれの作品を独創的な彫刻であるよう受け手に感じさせます。
ある顧客は「ニューヨークでもセント・アイヴス(
St. Ives;イギリスのコンウォール地方の港町)でも
素敵に似合う」とこのコレクションを評価してくださいました。

U:作業をする時インスピレーションを受ける都市はありますか?
作った陶磁器がどんな都市に似ていると思いますか?

D:コーンウォール地方のセント・アイヴスは、ターコイズブルーの海と
透明な光に囲まれた美しい港町であり、多くの芸術家にインスピレーションを与えた町です。
都市として分類されませんが、ブラックストーンウェアはここから始まったため
私にとって重要な意味を持つ場所です。
私はバーナード・リーチ(
Bernard Leach)と濱田庄司(Shoji Hamada)が
1920年にセント・アイヴスに設立したリーチ工房(Leach Pottery)で
5年間主席陶芸家兼クリエイティブディレクターとして働きました。
港で操業を営んできたこの町の歴史、そして実用的で機能的な形態に対する必要性は
私にとってインスピレーションになりました。また青や黄色、黄金色の夏から、
薄暗い灰色や赤褐色、真っ黒な湿った冬の荒れ地に変わっていくこの町の
風景と色彩もとても愛しています。

実際の都市で例えるとするなら、ロンドンではないかなと思います。
私にとってロンドンは、様々な国の発想、料理、文化でいっぱいの活気溢れる国際都市であり、
固有の文化と歴史、伝統を維持し続けている国です。
ロンドンの博物館と美術館のコレクションを通して沢山のことを学びました。

 

U:影響を与えたデザイナーや芸術家、もしくは特定の文化などはありますか?

D:最初に大きな影響を与えてくれた人物はルーシー・リーです。
陶芸の新入生時代に彼女のロンドンスタジオへの訪問をきっかけに陶芸家になる決心をしました。
ルーシー・リーが現代と古代の陶磁器を彼女の日常生活の中へ自然に溶け込ませた方法は
とても興味深かったです。彼女が作った作品は日常空間のための芸術品であり、
時間と光の変化によって違う表情を見せてくれる大切なものでした。

また、ルーマニアの彫刻家であるコンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brancusi)の
作品からも沢山のインスピレーションを受けました。
彼は物事の本質を見抜きアイディアの本質を象る純粋な形状を作るのに長けており、
古代文化から影響を受け不必要な要素を大胆に削ぎ落としました。

私はイギリスとアイルランドの先史時代の文化を通して、陶磁器が実用的で有用な役割を超え、
スピリチュアルでエモーショナルな意味を持つことができることに気づきました。
また、アジアの陶磁器文化も私に大きな影響を及ぼしました。
日本、中国、台湾での滞在経験は作品を作るにあたって沢山のインスピレーションを与えてくれました。

 

U:陶芸作業において最も重要だと考えている段階はなんですか?

D:窯、そして火で焼く焼成過程が最も重要だと思います。
私は伝統的な方式でお皿の形を決め、ろくろを使いながら実際に手で造形し彫刻します。
しかし私の作品に個性と独創性を与えてくれるのは焼成過程です。
焼成は
1度のみしか許されず、極度の高温と大気の変化に耐えなければならない
危険度の高い技術を要します。

最後に摂氏1,270度の中に重曹と水の混合物を投入する瞬間は、
作品の最終的な行方を決める段階です。
この過程は徹底的な管理と長い時間を要し、小さな球状の粘土受け
3つがそれぞれの作品を
うまく支えるよう繊細に窯詰めする必要があります。
焼成過程は手動で制御し、
1516時間もの間見守る必要があるため、
この作業がある日は朝早くに始め夜遅くに終わります。
このような過程を経て完成した作品を窯から取り出す時の胸の高鳴りと期待感は
言葉では言い表せません。

U:陶芸の一番の魅力は何だと思いますか?
また作品を作る過程で最も
楽しい瞬間はいつですか?

D:手で作る陶磁器の特別な魅力は、天然素材とテクニックの結合からくるものだと思っています。
私は自然粘土のテクスチャーを感じ、陶芸家の手が残した形状と痕跡を見ることがとても好きです。
素敵な作品は芸術家の大胆な挑戦を経て誕生し、小さな不完全さは
機械が作ったものではないことを思い起こさせてくれます。

U:人々の食卓の上で、どのような意味をもつテーブルウェアになってほしいと思いますか?

D:ブラックストーンウェアを研究しデザインしながら、多くのハンドメイドの
テーブルウェアが「ヨーロッパの食器はセットで揃えるのが伝統である」という
古い考えに従っていることに気づきました。
私はコレクションの
1つを家族のように考えています。
それぞれのアイテムは独立的でありながら、大きなグループの側面からは
互いが調和をなすように作りました。
コレクション全体としては統一感があり、個別で見た時には固有の表面の柄と個性を現します。
素敵なハンドメイドの陶磁器は日常を豊かで楽しいものにしてくれます。
愛情と真心を込めて作られたこのテーブルウェアが、家族や友人と共に食べて飲み、
料理を分かち合う喜びをより豊かにしてくれることを願っています。

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イギリス南西部の港町ペンザンス(Penzance)の波止場近くに
位置する
歴史的なトリニティハウス(灯台、航路標識の建設および試験などを管理する協会)貯蔵所。イギリスの陶芸ブランド「ドハティポーセリンDoherty Porcelain)」の陶芸家ジャック・ドハティ(Jack Doherty)はここで、熱い窯の火と重曹、そして粘土の強烈な結合によって色褪せたようなカラー、艶やかな光沢、手で造形した唯一無二のテクスチャーを持つ独創的な陶磁器を作り出す。

「美しく機能的な日常品」が持つ力を信じる彼は、数多くのミュージアムでの展示と受賞を通して早くからその才能を認められ、素朴でありながらも繊細さが感じられる作品で多くの人々を魅了した。

2025年、ドハティポーセリンのブラックストーンウェア(Black Stoneware)コレクションを韓国で紹介することになった彼とのインタビュー。

@dohertyporcelain

 

 Urbanic(以下U):自己紹介とドハティポーセリンDoherty Porcelain)について教えてください。

Jack Doherty(以下D):ドハティポーセリンは現代美術キュレーター兼展示企画者である
サラ・フラングルトン(
Sarah Frangleton)とアーティスト兼デザイナーである私、
ジャック・ドハティのクリエイティブなパートナーシップを通してスタートしました。
私はアルスター大学で陶芸デザインを専攻し、アイルランドにあるキルケニーデザインワークショップ(
Kilkenny Design Workshops)で働いたのち、最初のアトリエを開きました。
学生時代に陶芸に初めて触れ、著名な陶芸家であるルーシー・リー(
Lucie Rie)の
ロンドンスタジオへの訪問をきっかけに陶芸家になることを決心しました。
そこで韓国の素晴らしいタルハンアリ(満月壺)の実物を初めて目にしました。
陶磁器に対して好奇心が湧き、それがきっかけで陶芸家の道を歩むことになりました。

 

Uドハティポーセリンを23個の単語で簡略に定義するとすれば?

D:「正真正銘の(Authentic)」、「現代の(Contemporary)」、「唯一の(Unique)」と説明したいです。

 

Uドハティポーセリンならではの制作技法は何ですか?

D:ドハティポーセリンはオリジナルな技法で、それぞれの作品のカラーとテクスチャーを築いてきました。
伝統的な釉薬を使わない代わりに、スリップ(粘土に水を混ぜ適度な濃度にしたもの)と
鉱物の混合物を作品に加えた後、ソーダ窯で焼きます。
この時、重曹と水を混ぜ熱い窯の中に投入すると、粘土と反応し鉱物によって
色が出ることで作品は個性と固有のテクスチャーを持つことになります。

 

U:アーバニック30の顧客に紹介することになった
ブラックストーンウェア(
Black stoneware)コレクションについて教えてください。

D:ブラックストーンウェアコレクションは現代的なセラミックラインです。
伝統素材と独創的な技術、現代のデザインを結合し日常でも、
そして特別な日にも似合うようにハンドメイドで作られています。
手に取りやすいコップ、食事の準備とサービングに適した料理を入れやすく
重ねて保管することができるボウル、 エレガントに演出することができる
フチの広いプレートを中心に製品群を追加しています。

コレクション全体としては一貫性がありながらも、一つ一つ違う形に作り上げる
窯の焼成過程の特徴が、それぞれの作品を独創的な彫刻であるよう受け手に感じさせます。
ある顧客は「ニューヨークでもセント・アイヴス(
St. Ives;イギリスのコンウォール地方の港町)でも
素敵に似合う」とこのコレクションを評価してくださいました。

U:作業をする時インスピレーションを受ける都市はありますか?
作った陶磁器がどんな都市に似ていると思いますか?

D:コーンウォール地方のセント・アイヴスは、ターコイズブルーの海と
透明な光に囲まれた美しい港町であり、多くの芸術家にインスピレーションを与えた町です。
都市として分類されませんが、ブラックストーンウェアはここから始まったため
私にとって重要な意味を持つ場所です。
私はバーナード・リーチ(
Bernard Leach)と濱田庄司(Shoji Hamada)が
1920年にセント・アイヴスに設立したリーチ工房(Leach Pottery)で
5年間主席陶芸家兼クリエイティブディレクターとして働きました。
港で操業を営んできたこの町の歴史、そして実用的で機能的な形態に対する必要性は
私にとってインスピレーションになりました。また青や黄色、黄金色の夏から、
薄暗い灰色や赤褐色、真っ黒な湿った冬の荒れ地に変わっていくこの町の
風景と色彩もとても愛しています。

実際の都市で例えるとするなら、ロンドンではないかなと思います。
私にとってロンドンは、様々な国の発想、料理、文化でいっぱいの活気溢れる国際都市であり、
固有の文化と歴史、伝統を維持し続けている国です。
ロンドンの博物館と美術館のコレクションを通して沢山のことを学びました。

 

U:影響を与えたデザイナーや芸術家、もしくは特定の文化などはありますか?

D:最初に大きな影響を与えてくれた人物はルーシー・リーです。
陶芸の新入生時代に彼女のロンドンスタジオへの訪問をきっかけに陶芸家になる決心をしました。
ルーシー・リーが現代と古代の陶磁器を彼女の日常生活の中へ自然に溶け込ませた方法は
とても興味深かったです。彼女が作った作品は日常空間のための芸術品であり、
時間と光の変化によって違う表情を見せてくれる大切なものでした。

また、ルーマニアの彫刻家であるコンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brancusi)の
作品からも沢山のインスピレーションを受けました。
彼は物事の本質を見抜きアイディアの本質を象る純粋な形状を作るのに長けており、
古代文化から影響を受け不必要な要素を大胆に削ぎ落としました。

私はイギリスとアイルランドの先史時代の文化を通して、陶磁器が実用的で有用な役割を超え、
スピリチュアルでエモーショナルな意味を持つことができることに気づきました。
また、アジアの陶磁器文化も私に大きな影響を及ぼしました。
日本、中国、台湾での滞在経験は作品を作るにあたって沢山のインスピレーションを与えてくれました。

 

U:陶芸作業において最も重要だと考えている段階はなんですか?

D:窯、そして火で焼く焼成過程が最も重要だと思います。
私は伝統的な方式でお皿の形を決め、ろくろを使いながら実際に手で造形し彫刻します。
しかし私の作品に個性と独創性を与えてくれるのは焼成過程です。
焼成は
1度のみしか許されず、極度の高温と大気の変化に耐えなければならない
危険度の高い技術を要します。

最後に摂氏1,270度の中に重曹と水の混合物を投入する瞬間は、
作品の最終的な行方を決める段階です。
この過程は徹底的な管理と長い時間を要し、小さな球状の粘土受け
3つがそれぞれの作品を
うまく支えるよう繊細に窯詰めする必要があります。
焼成過程は手動で制御し、
1516時間もの間見守る必要があるため、
この作業がある日は朝早くに始め夜遅くに終わります。
このような過程を経て完成した作品を窯から取り出す時の胸の高鳴りと期待感は
言葉では言い表せません。

U:陶芸の一番の魅力は何だと思いますか?
また作品を作る過程で最も
楽しい瞬間はいつですか?

D:手で作る陶磁器の特別な魅力は、天然素材とテクニックの結合からくるものだと思っています。
私は自然粘土のテクスチャーを感じ、陶芸家の手が残した形状と痕跡を見ることがとても好きです。
素敵な作品は芸術家の大胆な挑戦を経て誕生し、小さな不完全さは
機械が作ったものではないことを思い起こさせてくれます。

U:人々の食卓の上で、どのような意味をもつテーブルウェアになってほしいと思いますか?

D:ブラックストーンウェアを研究しデザインしながら、多くのハンドメイドの
テーブルウェアが「ヨーロッパの食器はセットで揃えるのが伝統である」という
古い考えに従っていることに気づきました。
私はコレクションの
1つを家族のように考えています。
それぞれのアイテムは独立的でありながら、大きなグループの側面からは
互いが調和をなすように作りました。
コレクション全体としては統一感があり、個別で見た時には固有の表面の柄と個性を現します。
素敵なハンドメイドの陶磁器は日常を豊かで楽しいものにしてくれます。
愛情と真心を込めて作られたこのテーブルウェアが、家族や友人と共に食べて飲み、
料理を分かち合う喜びをより豊かにしてくれることを願っています。

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