Urbanic(以下、U):今回のアーバニック30とのコラボレーションは、どのような経緯で実現したのでしょうか?
Miguel(以下、M):最初にアーバニック30から依頼を受けたのは2023年の5月です。その時からアーバニック30のチームと一緒に作業するのは本当に楽しいと感じておりました。作業が終わったあと「コラボレーションしませんか?」と提案してもらったのですが、もう即答で「Yes」でした。自分にとって、ずっと夢見ていたことでしたからね。
U:アゴス・ムニXアーバニック30のコラボレーションで、特に気に入っている製品は何ですか。その製品をどう着こなしているかも教えてください。
M:一番のお気に入りは、アゴス・ムニ・レタリングシャツ(Agos Muni Lettering Shirt)です。フィリピンでよく着ていた服を思い出させてくれます。友人たちがそれぞれのスタイルでこのシャツを着ているのを見るのも楽しいですが、個人的にはノースリーブの上に羽織って、前を開けた状態でラフに着ることが多いです。
U:今回のコラボレーションのきっかけとなったフラワーアレンジメントの作業を進まれながら、ニューヨークの街並みで撮影を行ったと伺いました。あなたにとってニューヨークはどんな存在ですか?
M:ニューヨークは自分の居場所です。2011年に引っ越してきて以来、ずっとそう感じています。この街はいつも予測できないことで満ちていて、さまざまな文化やバックグラウンドを持つ人々が交差しています。街やそこに生きる人々の美しさから、たくさんのインスピレーションをもらっています。
U:コラボレーションで使用されたお花について教えてください。フラワーアレンジメントをデザインする際、どのようなことを意識しますか?
M:今回のコラボレーションでは、アーバニック30のようにクラシックでタイムレスなお花に焦点を当てました。2種類のアレンジメントを通して、自分の異なる側面を表現したいと考えたんです。赤いバラは、自分の色彩やその生命力に対する愛情を表しています。白いリリーはその反対で、ミニマルで抑制された自分の一面を映し出していると思います。
U:今回のプロジェクトのために、ゴハー(Gohar)姉妹も撮影に参加してくれましたが、撮影中に印象的だったエピソードがあれば教えて頂けますか。
M:ゴハー姉妹は、私がニューヨークで過ごした時間の大切な一部です。沢山教えてもらいましたし、2人は私のことを自分たちの世界に招き入れてくれました。まるで最高のホストです。
撮影では、ナディアとレイラそれぞれが心地よく感じる環境で行いました。ナディアとの撮影では、彼女の住むアッパーイーストサイド(Upper East Side)が特に印象的でした。彼女の部屋の近くにある公園で朝日を浴びながら話した時間は、とても穏やかで幸せでした。あれほど忙しい街で、あんなにも静かなひとときを過ごせるのは本当に贅沢です。
レイラとは、 彼女が自分のスタジオに持っていく新鮮なフルーツや野菜を買いに行くユニオンスクエア・マーケット(Union Square Market)で撮影を行いました。レイラの息子のPazや、お父様のMohamedにもお会いでき、ゴハー家の3世代が揃う姿を見られたのは特別な経験でした。その後、マーケットで働くレイラの姿を撮影しました。
U:今回のコラボレーションで、あなたが直面した困難について聞かせてください。
M:私にとって一番難しいのは、どこでデザインを止めるかを見極めることです。この企画でも、最初にデザインしていたものは、もっと装飾が多く複雑なものでした。でも、アーバニック30のチームからフィードバックをもらいながら進めるうちにデザインがどんどんシンプルになり、アーバニック30と私、それぞれが持つ美しさが調和したいい作品に仕上がったと思っています。
U:コラボレーション商品の中では、「Musings in a Vessel」と書かれたものがあります。アゴス・ムニを象徴するこのスローガンには、どんな思いが込められていますか。
M:「Musings in a Vessel」は、私の制作に対する姿勢そのものを表しています。私にとって、お花を花瓶に生けることは、 思いの痕跡のようです。どの花をどこに置くか考える作業は、自分の感情や思考を 器(Vessel)に注ぎ込む感覚に近いです。「Musing(黙想)」という言葉は、私が特に好きな表現のひとつで、静かでありながらも好奇心が感じられるところが魅力的です。