永田恵理子が設立したニューヨーク拠点のフラワーデザイン・スタジオ「EriN Design INTL」。
「A journey into the floral design」をモットーに、ランウェイやガラディナー、パーティーのための壮麗なインスタレーションから、繊細なフラワーアレンジメントまで手がけています。その作品は、花々が持つ色彩やテクスチャーが絶妙に響き合い、独自の調和を生み出しています。
この度、彼女がアーバニック30のために手がけたのは、濃密な色合いのダーリアと、柔らかでベルベットのような質感を湛えるケイトウを用いたアレンジメント。秋の空気をそのまま閉じ込めたかのような、季節感溢れる一作に仕上がりました。
Urbanic(以下、U): あなたのデザイン哲学について伺いたいです。インスピレーションを得るためにはどこに行きますか?
Eriko(以下、E): デザイン哲学というと、自然と現代の美を調和させることです。シンプルだけど優雅な自然の形、私自身の感受性、そして幼い頃に読んだファンタジー本からインスピレーションを得ることが多いです。それから、自然と美術に対する自分の愛情が創作に影響を与えることもあり、それは私が手掛ける素材や形に反映されています。
インスピレーションを求める時は、セントラルパークに足を運ぶことが多いです。忙しい街の中心に位置するオアシスのような場所で、季節ごとに異なる花や木々が楽しめます。また、ニューヨークには歴史的な建物とモダンな建築が融合しているので、歩きながら街を冒険することで新たなインスピレーションを得ることもあります。
U: 作業に使われたお花について教えてください。アーバニック30というブランドを表現する際に、これらのお花を選んだ理由は何ですか?
E: ケイトウやダーリアを選びました。これらの花は豊かな色合いと、ベルベットのようなテクスチャーが特徴で、モダンでありながらも優雅な雰囲気を持っています。そういった点が、アーバニック30のブランドに似ていると感じました。
U: アーバニック30のために作ってくださったフラワーアレンジメントで、特にお気に入りのディテールは何ですか?
E: ダーリアの豊かな色彩と、ケイトウのベルベットのような質感が美しく調和しているところがとても気に入っています。ダーリアは花束のように集めることで、ドラマチックな雰囲気と動きを生み出します。まるで浮かぶ花の城のような、幻想的な構成になるんです。
U: 日本で見られるお花とニューヨークで見られるお花には、どんな違いがありますか。
E: 一般的に、日本で扱っていたお花は繊細で、整えられた印象があります。一方で、ニューヨークでは日本ではあまり見かけないような野生の枝や花をたくさん見れます。世界中からお花が集まる場所なんです。それぞれの良さがあると思いますが、何より世界各地のお花に触れられる機会に感謝しています。お花が持つユニークな魅力を引き出すことを楽しみながら作業しています。