Christian Ravnbak, Copenhagen
Flowers by Christian Ravnbak
その季節に咲く花々の自然な美しさを最大限に引き出すことを得意とする、コペンハーゲンのフロリスト、クリスティアン・ラヴンバック(Christian Ravnbak)。素朴でありながら豊かな感情を呼び起こす彼のアレンジメントが、今回アーバニック30のために届けられました。この特別なアレンジメントを、ぜひご堪能ください。
Urbanic(以下、U): 作業をされる際に、最も大切にしていることは何ですか?
Christian(以下、C): 花瓶やアレンジメントが置かれる空間、そしてもちろん、お花そのものを大切にしています。特に季節の花を選ぶことが好きです。どの花を使うかは、いつも自然に決まります。直観的に「これだ」と分かるんです。また、古い器や花瓶を見つけて、それをアレンジに取り入れるのも楽しみのひとつです。さらに、私が作業する空間そのものも、大きなインスピレーションを与えてくれる存在です。
U: デザインにおいての哲学や、インスピレーションの源について聞かせてください。
C: 哲学というほどのものではありませんが、私はいつも「花そのものに集中する」ことを心がけています。ただ単純に、花で何かを作ることが楽しいんです。花そのものが持つ純粋な美しさが好きですし、花は多くの人にとって親しみやすい素材だと思います。自然の中から生まれた生きた存在であり、そこにあるだけで価値のあるもの。そんな花を扱う仕事ができること自体が、私にとっての喜びです。
U: 今回の作業で選ばれたお花は何でしょうか?また、そのお花を選んだ理由を教えてください。
C: 今回は「金露梅(Shrubby Cinquefoil)」という花を選びました。実はこれまで特別好きな花ではなかったんですが、ストックホルムへの引っ越し中に、この花がカットフラワーとして生けられているのを見て、その魅力に気づきました。どこか桜や小さなバラを思わせる可憐な姿で、特に旬の時期にはとても美しい表情を見せてくれます。この金露梅は駐車場や公園のような場所でよく見かける植物ですが、こうして生け花としてアレンジすることで驚くほど華やかに感じられるんです。今回の作業では、この素朴で愛らしい花の新たな魅力を発見し、とても楽しい時間を過ごしました。この花の持つ自然な美しさを、皆様にも感じていただけたら嬉しいです。